本戦出場チームフォーカス - アメリカ トップへの返り咲きを目指して
ミー(スイス)-4月29日、フィリピンのマニラで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が開催され、数ヶ月後に世界チャンピオンを目指す32チームの顔ぶれが出揃う。
今回はFIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 2位で、これまで5回ワールドカップで優勝経験のあるアメリカを紹介しよう。
🇺🇸 USA locks their spot in the #FIBAWC ! 🙌#WinForUSA pic.twitter.com/KfB5mwZrUP
— FIBA Basketball World Cup (@FIBAWC) February 24, 2023
どのように本戦出場が決まったか
アメリカは東京オリンピックで金メダルを獲得したが、2019年のワールドカップでは7位という結果に終わっていた。
アメリカ大陸予は全試合を元NBAヘッドコーチのジム・ボイレンが指揮を執り、52人の選手を起用して、最終試合を前にワールドカップ出場権を確定させた。選手は主にNBA Gリーグの選手たちで、中には過去にNBAで活躍した選手もいる。また、アイザイア・トーマスとジョー・ジョンソンという2人の元NBAスターも出場した。
NBAで8年間プレーしたラングストン・ギャロウェイは12試合中10試合に出場し、ウィリアム・デイビス、ダクワン・ジェフリーズ、デイビッド・ストックトンの3人は3つ以上のWindowに出場した。
ラングストン・ギャロウェイ
メキシコでのバブル開催となった2021年11月、アメリカはやや出足でつまずくこととなった。キューバを95-50で退けた後、メキシコに97-88で敗れ、前半終盤の13点リードを保つことが出来ず苦戦した。
アイザイア・トーマスはそれぞれの試合で21得点を獲得した。Window2は、Window1に出場した選手の参加は1人だけだったが、2022年2月にワシントンDCでプエルトリコを93-76、メキシコを89-67で下し快勝した。
プエルトリコ戦ではジャスティン・ジャクソンが26得点をあげ83-75で勝利し、キューバ戦ではザビエル・マンフォードが24得点を挙げて87-64で勝利。4連勝となった。
2022年8月のWindowではジョン・ジェンキンスが活躍を見せ、ラスベガスで行われたウルグアイとの試合で22得点を挙げて105-71で勝利し、コロンビア戦では26得点を記録して95-77で勝利した。
アメリカの首都ワシントンDCで行われた2022年11月のWindowでは、ブラジルとの試合を79-94で落とし、ワールドカップ予選2度目の敗北を喫した。しかし続くコロンビア戦で立ち直り、ラングストン・ギャロウェイとデビッド・ストックトンがともに23得点をあげて、88-81で勝利した。
アメリカは、2023年2月のWindow初戦でワールドカップ出場権を獲得した。しかし楽勝とはいかず、開始10分でウルグアイを21-7と引き離したものの、最後は88-77という結果での勝利となった。この試合で再びギャロウェイが活躍を見せ、21得点を挙げた。予選最終戦は、アウェーでブラジルに83-76で敗れた。
ワールドカップでの最高成績
アメリカはこれまでワールドカップ出場を逃したことがなく、5回優勝している。これ以上多くの優勝経験を持つ国は他にない。アメリカは1954年に初めてワールドチャンピオンに輝き、1950年と1959年には準優勝となった。
1963年から1978年までの5回のワールドカップでは、1度だけ1974年に3位入賞を果たす。直近10大会では、1986年、1994年、2010年、2014年の優勝を含め8回メダルを獲得している。
過去のワールドカップ
1982年から1998年まで5回の表彰台を経験したアメリカは、2002年ホームのインディアナポリスで行われた準々決勝で、のちにチャンピオンとなるユーゴスラビアに敗れた。2006年のワールドカップでは、準決勝でギリシャに敗れたが3位入賞を果たした。
2010年と2014年には無敗で優勝を果たしている。2019年はファーストラウンドでチェコ、トルコを延長戦の末に破り、日本にも勝利して3戦全勝、セカンドラウンドでもギリシャとブラジルを撃破した。しかし準々決勝でフランスに弾き返されることとなり、89-79で敗れた。その後5-8位決定戦でセルビアに敗れ、7位に終わった。
注目選手
グラント・ヒル マネージングディレクターとスティーブ・カー ヘッドコーチは多くの優秀な選手を抱えており、誰を選ぶのか推測することは非常に困難だ。
2019年大会のアメリカチームの中心選手は、ケンバ・ウォーカー(1試合平均14.4得点、5.4アシスト)、ドノバン・ミッチェル(PER16.8)、ジェイソン・テイタム(平均10.5得点、7.5リバウンドだが残念ながら2試合のみの出場)、ハリソン・バーンズ(11.6得点、4.6リバウンド)とクリス・ミドルトン(9.9得点、4.9リバウンド)だった。
テイタムとミドルトンは2年後の東京オリンピックで、ケビン・デュラント(大会1試合平均20.7得点)、ドリュー・ホリデー(PER15.3)、バム・アデバヨ(アメリカ最高の5.7リバウンド)、NBAオールスターガードのデイミアン・リラード(11.2得点)、デビン・ブッカー(9.3得点)らと共にプレーした。
ワールドカップアメリカ大陸予選の12試合で予選突破に貢献した、52人の選手から選ぶという選択肢も残されている。例えばジョン・ジェンキンズはオリンピックの際、2021年のNBAファイナルに出場した最終3選手のうち1人がプレーできない場合の控え選手として、チームとともに東京へ飛んだ。
ジョン・ジェンキンズ
いずれにせよ、スター選手ばかりのロスターになることは間違いない。
本戦出場チームフォーカスシリーズ
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