ジッダ(サウジアラビア)- 日本は多くの才能がある選手たちがいるだけではなく、選択肢の多さもあることをアジアカップで見せつけている。シリア戦では、その層の厚さが存分に示された。
ベテランのフォワード、ジョシュ・ホーキンソンは、日本が期待した通りの安定感をもたらし、ダブルダブルを記録し、静かにインサイドを支配した。しかし、日本に火をつけたのは吉井裕鷹だった。
ベンチから出場した27歳のフォワードは、これまでの代表のキャリアの中でも非常に完成度の高いゲームを披露した。チームにペース、プレッシャー、落ち着きをもたらし、ディフェンスではシリアのガードを封じ、トランジションにはスピードをもたらした。彼のハッスルプレーによる第3Qの活躍が、日本に必要な余裕をもたらした。
「吉井のエネルギーはチームにとって非常に重要」と、ベテランの富樫勇樹は語る。「彼は本当に成長して、チームの中でも最も良い選手の一人になった。」
ホーバスヘッドコーチも同様に、日本が流れを取り戻した瞬間をこう振り返る。速くてしっかりとディフェンスをし、チームを優先するスタイル。その流れの中では、常にスター選手だけが輝くわけではない。
「スティールやディフェンスで止めて、流れが変わったとき、私たちは本来のスタイルを取り戻した。勝ててよかったし、こういうプレーは今後、チームを助ける。私たちは複数のポジションをこなせる選手たちという選択肢を持っていることがチームによってよいことです。」
これが、日本がこのトーナメントで最大の武器にしようとしていることを表している。ヒーローは一人や二人ではなく、全員の貢献によってチームを築いている。
鍵となる富樫のような選手や、馬場雄大、富永啓生など、最近も海外で経験を積んでいる選手たちとともに、吉井やホーキンソンがスポットライトを浴びる今、日本は個人の輝きに頼るのではなく、チームの力で勢いをつけている。
「このチームでプレーしたい選手はたくさんいる。」とホーバスヘッドコーチは言う。「そういう環境があれば、可能性は無限大です。」
次のイランとの対戦では、激しいフィジカルと高いレベルの試合になることが予想される。
ホーキンソンは変わらずチームの柱であり、吉井はXファクターだが、日本がより勝ち進むためには、全員の力が必要だ。シリア戦の逆転勝利は、その準備ができていることの証だ。
FIBA