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2021年11月22日
2023年2月28日
08/02/2023
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2023年夏、河村勇輝はAKATSUKI JAPANと共に飛躍を遂げるのか

東京(日本)-2022年は河村勇輝にとって、なんという年だっただろうか。

日本のバスケットボールファンは、近年河村がアンダーカテゴリーの代表チームを率いる姿を目にしてきて、この21歳の選手には何か特別なものがあることを常に感じていた。大学を中退してプロになることを決断した2022年の初め、彼はすでに2024年のパリ五輪の出場権を獲得し代表チームの一員になりたいという意思を表明していた。

多くの期待を背負って始まった1年だったが、それでもなお河村の活躍ぶりは多くの感動を生んだ。

 輝かしいデビュー

2022年6月、河村はチャイニーズ・タイペイ戦でAKATSUKI JAPANの一員として代表デビューを果たした。この試合、得点こそなかったものの、8アシスト、5スティールを記録し、チームの勝利に貢献した。

トム・ホーバスヘッドコーチも、河村がゲームにもたらしたインパクトについて、称賛している。

「彼はディフェンス面で大きな力を与えてくれました」とホーバス氏は初戦の後に語った。
「私たちはスティールを増やそうとしていたが、トラップしてもなかなかうまくいきませんでした。それが彼がコート上に入ると、2Qで自身で4スティール、チームとして5スティールを記録しました。これは、彼のスピードとボールプレッシャーによるディフェンス面での判断によるものです。…彼がどのようなプラスな要素をチームに加えてくれるかわかりませんでしたが、彼の活躍には本当にいい意味で驚かされました。」

このデビュー戦での躍動は河村のFIBAアジアカップ2022での日本代表入りを後押しするものとなった。ジャカルタでは、カザフスタンとの初戦で8得点、8アシスト、2スティールを記録した。

アジアカップでの河村について、ホーバスヘッドコーチはこう語っている。「(チャイニーズ・タイペイ戦と)同じことをやって、本当にゲームを変えてくれた。私はそれを期待していました。彼は若い選手ですが、自信を持っているし自分の役割をよく理解している。素晴らしい選手だと思います。彼は本当にゲームにインパクトを与えてくれました。」

代表経験が長く、河村のロールモデルとなる存在の富樫勇樹も、初めて一緒に戦った主要なFIBAの国際大会での、河村の活躍を絶賛した。

「見ての通り、小さい選手(自分と河村のような)が2人いるチームは珍しいです。ただ、重要なのはサイズではないということです。…自分たちにはスピードと守備能力という強みがあり、そこから素晴らしいディフェンスが生まれました。河村のスティールも何度もありました。」と、167センチのポイントガードは言う。

日本は準々決勝で優勝したオーストラリアに敗れ、河村は個人として1試合平均4.4得点、4.4アシスト、2.2スティールを記録した。自信を持って望んでいるように見えた河村だが、この夏自身の代表チームでの経験には驚いたという。

「こんなに長い間、日本代表の活動に参加できることになるとは思っていませんでした」と、バスケットボールキングの取材で話した。

経験を積み重ねる

河村は自身の予想に反して日本代表で数カ月間の練習と学びを重ねる結果となり、FIBAの国際大会公式戦8試合に出場した。夏の終わりには、カザフスタン戦で7得点、7アシスト、5スティールという素晴らしいパフォーマンスを見せた。

バスケットボールファンである私たちは、過去にもこうした初めての代表チームでの経験が、いかに選手を成長させるかを目の当たりにしてきた。それはすでにどれだけ才能がある選手であっても例外ではない。コービー・ブライアントやレブロン・ジェームズのような選手でさえ、代表チームで自国のトップ選手と一緒にいる間に、新しいスキルを身につけたのである。

夏にAKATSUKI JAPANでプレーした河村も、渡邊雄太や馬場雄大といった海外でプロとしてプレーしている選手と一緒にいたことが、彼の飛躍につながっている様子がうかがえた。

バスケットボールキングの取材に応じた河村は、「2人ともとても影響力のある選手だと思います」と語った。「コート上ではたくさんコミュニケーションをとりました。」

「コート外でもいろいろなことに気を配っているのがすごいと思います。体のケアもしっかりしているし、食事の話も聞いたことがありますが、僕には想像もつかないような努力をしていてすごいと思いました。」

 

また、ホーバスヘッドコーチの指導のもと、自分のプレーに磨きをかけることができたことも、彼の上達の大きなポイントであった。河村は素晴らしいディフェンスやパススキルを持つ一方で、「ゴールに向かわない」ことがあるとホーバスヘッドコーチに指摘された。

そのアドバイスを受け、河村はより積極的に得点に絡むプレーをするようになった。

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この結果として、河村がプロとして初めて迎えたのB.LEAGUEのシーズンで、素晴らしいパフォーマンスを見せていることをファンは目の当たりにしている。

横浜ビー・コルセアーズのポイントガードとして、河村は得点、リバウンド、アシスト、スティール、そして出場時間においてキャリアハイの平均を記録している。アシストは全選手の中で唯一1試合平均2桁となる11.0を記録しトップ。さらに平均15.6得点を挙げ、10月まで7試合連続でダブルダブルを記録した。

(*)河村の次の目標は、Window5に向けた13人の代表合宿メンバーから、日本代表の本登録選手に選ばれることだ。
 

日本は2022年11月11日にバーレーン戦、14日に今年3試合目となるカザフスタン戦を予定している。河村はこれらの試合で今夏の成長ぶりをさらに見せてくれるだろう。

これらはすべて、彼の最終目標に向かっている。

「日本代表の一員として、世界に通用するポイントガードの一人になる という目標はずっと持っていました」と、B.LEAGUEシーズン前にバスケットボールキングに語っている。

「ワールドカップは日本で開催されるので、絶対に参加したいです。そして、そこで良い結果を残せば、2024年のパリオリンピックに出場する権利も与えられます。日本代表の目標であるパリオリンピック出場のためにも、ぜひワールドカップに出場したいです。」

*この記事は2022年10月28日にFIBAから出たものを翻訳したものです

FIBA