本戦出場チームフォーカス - ラトビア 初めてのワールドカップで嵐を起こす準備が整ったポルジンギスと仲間たち
ミー(スイス)-4月29日、フィリピンのマニラで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が開催され、数ヶ月後に世界チャンピオンを目指す32チームの顔ぶれが出揃う。
今回はFIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 29位、ワールドカップ初出場となるラトビアを紹介しよう。
LATVIA ARE HEADING TO THE WORLD CUP FOR THE FIRST TIME IN HISTORY.#FIBAWC x #WinForLatvia 🇱🇻 pic.twitter.com/VVlrxr8sCl
— FIBA Basketball World Cup (@FIBAWC) November 11, 2022
どのように本戦出場が決まったか
ラトビアはワールドカップ予選を低調な状態で迎えた。得失点差でモンテネグロに及ばずFIBAワールドカップ2019出場を逃しただけでなく、FIBAユーロバスケット2022への出場権も獲得できず、1999年以来初めて欠場した。
前回のユーロバスケット2017では5位という成績だったにも関わらずである。しかし新ヘッドコーチのルカ・バンチは歴史に残る快挙を果たし、最終Windowを残してワールドカップへの切符を手に入れた。
ラトビアはワールドカップヨーロッパプレ予選セカンドラウンドでベラルーシとルーマニアをそれぞれ2回ずつ破り、4勝0敗で本予選のグループAに入った。初戦はベオグラードでセルビアと対戦し、14回のリードチェンジがあるスリリングな展開の中、リハード・ロマズが33得点を挙げるも、101-100で惜敗を喫することとなった。この試合はラトビアにとって、最初の5試合で唯一の敗戦となった。
2021年11月のWindowのもう一試合はホームでのスロバキア戦で、ロマズが28点を獲得して82-74で勝利した。2022年2月のWindowでは、4日間のうちにベルギーを2度倒し、予選通過に大きく近付いた。アウェー戦では18点のリードを許すも66-65と持ちこたえ、ホームでは68-63で勝利を収めた。
2022年6月7月のWindowでは、ラトビアの強力なディフェンスがセルビアとの第2戦でも健在で、ホームの1万人のファンの前で、第3クォーターをわずか7失点に抑え、66-59で勝利した。その後もスロバキアに33点差で勝利した。
2022年8月のWindowではNBAのスター選手であるクリスタプス・ポルジンギスがチームに合流し、ホームで開催されたトルコ戦に1万1315人の大観衆が集まった。ポルジンギスは期待に応え22得点、14リバウンド、6ブロックを記録し、111-85で勝利した。
ポルジンギスはイギリスとの試合でも好調で、29得点、14リバウンドを記録し、チームは87-80で勝利した。
そして2022年11月のWindowでギリシャを80-60で破り、歴史に残るワールドカップ初出場の切符を手に入れた。
第2戦イギリスとの試合には、リガに集まった1万1057人のファンが見守る中79-63で破り、盛大なお祝いムードとなった。
リハード・ロマズ
予選期間中、リハード・ロマズ、ダイリス・ベルタンス、アンドレイズ・グラズリス、クラヴス・カヴァースの4人が最初の10試合すべてに出場、マレクス・メジェリスが8試合に出場し、強力なチームのコアとして活躍を見せた。
また、1試合で1人の選手が4本以上の3ポイントシュートを決めるという状況が8回あり、そのうちの2回はロマズが6本の3ポイントシュートを決めた。
ワールドカップでの最高成績
ラトビア女子代表は2008年のオリンピックとFIBA女子バスケットボールワールドカップ2018の2回、世界の舞台でプレーしているが、ラトビア男子代表は2019年の中国大会の出場権を逃しており、ついにこの夏ワールドカップデビューを果たすことになる。
2019年のワールドカップを逃したラトビア
過去のワールドカップ
ラトビアのシニアナショナルチームは、世界の舞台に2度目の登場となる。ソビエト連邦の一部となる前の1936年にオリンピックに出場し、1勝2敗の成績だった。
注目選手
最大のスターとなるのは、ワールドカップが待ち遠しいと語るクリスタプス・ポルジンギスだろう。 NBAのベテラン選手がどれだけ活躍できるかは、ワールドカップでラトビアがどこまで勝ち進めるかを決める上で大きな意味を持つ。
しかしバンチヘッドコーチは、ポルジンギス抜きでプレ予選と予選で11勝1敗の成績にチームを導いた。ラトビアには強力な武器があるのだ。
ヤニス・ストレルニークス(13)、デイビス・ベルタンス(8)
リハード・ロマズは、予選を通じて得点力を発揮した。ダイリスとデイビスのベルタンス兄弟はいつでも攻撃的であり、ローランズ・スミッツ、ヤニス・ティンマ、クリスタース・ゾリクス、ロディオン・クルクス、ヤニス・ストレルニークスといった面々もいる。
忘れてはならないのは、若手のアルトゥルス・クルクス、アルトゥルス・ザガース、そしてアンドレイス・グラズリス、アンゼイス・パセクニクス、アイガルス・スケレである。ラトビアはワールドカップに初出場するが、多くの経験を経て辿り着いたデビュー戦となる。
本戦出場チームフォーカスシリーズ
他の本戦出場チームの紹介もご覧ください。
FIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 順
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