本戦出場チームフォーカス - ヨルダン アッバースらベテランがもう一度勝負に出る
ミー(スイス)-4月29日、フィリピンのマニラで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が開催され、数ヶ月後に世界チャンピオンを目指す32チームの顔ぶれが出揃う。
今回はFIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 33位、3回目のワールドカップ出場となるヨルダンを紹介しよう。
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どのように本戦出場が決まったか
ヨルダンは、ウェサム・アル-スースヘッドコーチの指揮のもと、初のワールドカップ連続出場を目標にアジア予選に臨んだ。
ウェサム・アル-スースは、2010年のワールドカップを含め、選手として代表チームで10年間プレーした経験を持つ。2023ワールドカップアジア予選は個々のパフォーマンスが際立ち浮き沈みも激しかったが、最終Windowでワールドカップ出場権を獲得した。
予選グループC初戦はホームでサウジアラビアを68-61で下し、13点差からの見事な逆転勝利で幕を開けた。その数日後にサウジアラビアで行われた第2戦では、13点のリードを保てず72-64で敗れた。
2022年2月のWindowは、ダル・タッカーが29得点、アフマド・アル・ドゥワイリが11得点12リバウンド、フレディ・イブラヒムが11アシストを記録し、74-63の快勝でスタートした。
続くホームでのインドネシア戦ではイブラヒムが17得点、10アシストのダブルダブルを記録し、94-64で勝利しセカンドラウンド進出を決めた。2022年6月7月のWindowでは初戦でレバノンに89-70で敗れたが、インドネシアに77-52で勝利し盛り返した。
7月下旬にはFIBAアジアカップ2022が開催され、ヨルダンは準々決勝でイランを破るも、準決勝でレバノンに86-85で敗れ、3位決定戦ではニュージーランドに83-75で敗れた。8月にアジア予選セカンドラウンドグループEが始まると、ホーム・インド戦でタッカーがトリプルダブル(18得点、8リバウンド、8アシスト)を達成し、80-64で勝利した。
次のニュージーランド戦ではタッカーが19得点、12リバウンドのダブルダブルを達成したものの100-72で敗れ、2勝目を逃した。
2022年11月のWindowは、ホームでフィリピンに74-66で敗れるという残念な結果から始まった。タッカーが23得点、アル・ドゥワイリが18得点、16リバウンドを挙げたが勝利には届かず、ヨルダンは2018年以来初めてホームでの試合を落とした。
2戦目では主力選手達が立ち直しを図り、ホームでのニュージーランド戦でタッカーが31得点、アル・ドワイリが22得点12リバウンド、イブラヒムが14アシストを記録して92-75で勝利した。
ヨルダンは、ニュージーランドがサウジアラビアを破ったことにより、2023年2月のWindow第1試合を戦う前にワールドカップへの出場が決まった。その後アウェーで行われたインド戦に98-63で勝利し、イブラヒムは21得点13アシストを記録した。
最終戦はフィリピンに91-90で勝利するというスリリングな試合展開で予選を終えた。アウェーで行われたこの試合では25点のリードを追いつかれるも、タッカーが22得点12リバウンドを挙げて勝利を掴んだ。
ワールドカップでの最高成績
ヨルダンは3度目のワールドカップで、2大会連続の出場となる。2010年23位がこれまでの最高成績で、2019年の中国大会では28位だった。
過去のワールドカップ
2010年に初出場したヨルダンは、グループステージで5戦全敗となった。初戦のオーストラリア戦は76-75と僅差で敗れ、アルゼンチン戦は88-79で敗北を喫した。
2019年の中国大会では、ドミニカ共和国に80-76、フランスに39点差、ドイツに34点差で敗れ、ファーストラウンドは3戦全敗となった。17-32位の下位グループラウンド第1戦では、カナダに55点差で敗れた。
しかしその後セネガルを79-77で下してワールドカップ初勝利を飾り、28位で大会を終えた。
注目選手
予選ではフレディ・イブラヒムとアハマド・アルハマーシェがそれぞれ12試合に出場したのを筆頭に、5人の選手が10試合以上に出場している。ポイントガードのイブラヒムはヨルダンの絶対的リーダーの一人で、26歳という若さは他の中心選手と比べてもかなり若いほうだ。
バックコートには34歳のスター選手ダル・タッカーがおり、現在も国際試合で活躍できることを証明している。
30歳のアフマド・アル・ドゥワイリは中盤の戦力となり、アハマド・アルハマーシェ(36歳)、モハメッド・ヒュセイン(33歳)、39歳でワールドカップ3度目の出場となるザイド・アッバースにも期待がかかる。
2010年ワールドカップでのザイド・アッバース
また、サミ・ブザイや、アミン・アブ・ハウワス、ハシェム・アバースも、この夏のパフォーマンスで大きな役割を果たすだろう。
本戦出場チームフォーカスシリーズ
他の本戦出場チームの紹介もご覧ください。
FIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 順
スペイン、オーストラリア、フランス、スロベニア、リトアニア、ギリシャ、イタリア、ドイツ、カナダ、フィンランド、ニュージーランド、アメリカ、セルビア、ブラジル、ベネズエラ、モンテネグロ、プエルトリコ、イラン、ドミニカ共和国、中国、ラトビア、メキシコ、ジョージア
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