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2021年11月22日
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14/02/2023
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吉井 裕鷹: AKATSUKI JAPANで見つけた役割と活躍

東京 (日本) - 日本代表 AKATSUKI JAPANは、チームの基盤作りを進めており、25歳以下の有望なタレントが多く見られる。それは、FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選Window6代表合宿招集メンバーのリストにも表れている。 

日本代表 Window6 合宿招集メンバー
ファジーカス ニック 比江島 慎 永吉 佑也 須田 侑太郎
富樫 勇樹 安藤 周人  ホーキンソン ジョシュ アキノ マシュー
細川  一輝 吉井 裕鷹  川真田 紘也 テーブス 海
西田 優大 井上 宗一郎 河村 勇輝 市川 真人
小川 敦也 金近 廉 川島 悠翔  

 

吉井 裕鷹もそのうちの1人である。

しかしながら、24歳のこれまでの道のりは、同世代の選手とは少し異なる。

"世界中のバスケットボール選手の中で、代表選手としてワールドカップ ワールドカップに出場できるのは一握りだけです"

 

196cmの吉井は、西田優大や河村勇輝、富永啓生といった同世代の選手達と比べると、アンダーカテゴリー代表では決して注目を集める存在ではなかった。2017年のU19ワールドカップでは最終候補には名を連ねたものの、井上宗一郎と違ってアンダーカテゴリー代表でのプレー経験はない。テーブス海もまたアンダーカテゴリー代表での経験はないが、彼は2018-19年にNCAA Division Iでアシスト数のリーダーとして名を馳せていた。

吉井 裕鷹には、そんな経歴はない。

2018年からずっと日本のB.LEAGUEでプレーし、この2年間は強豪アルバルク東京の中心選手としてプレーしてきたが、リーグトップクラスの活躍を見せていたかというと、そうとも言い切れない。

「実を言うと、日本代表でプレーできるとは考えてませんでした 」と吉井自身も振り返る。

それでも2022年7月1日、吉井はAKATSUKI JAPANのスターティングファイブとして、FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア予選のWindow3、オーストラリア戦に出場。先発はもちろんのこと、日本代表での試合出場も初めてだった。

「実際に代表に選ばれたときは、代表チームとしてプレーできることはとても光栄なことだと思いました。」

「日本代表でプレーすることは、自分にとって貴重な経験になりました。クラブでは出場時間が少ないので、日本代表の試合に出られるのはありがたいことです。また、自分自身にとっても、自分の名前を知ってもらういい機会になったと思っています。」

吉井は、トム・ホーバスヘッドコーチのロスターに一時的な補強として呼ばれたわけではなかった。Window3でデビューしたあと、2022年のアジアカップでも5試合中3試合に先発出場、その後もアジア予選でチームの一員として選ばれ続けた。

代表としてプレーした2022年の11試合で、吉井は合計229分出場している。この1年、日本代表としてプレーした選手の中で吉井よりプレータイムが長いのはエヴァンス・ルーク、富樫勇樹、西田優大だけである。

自分のプレーレベルにまだ疑問を抱いている人間にしては、悪くない実績だ。

「いいプレーができたと思うこともあります。でも、自分はまだバスケットボールが上手だとは思っていないんです。」

トム・ホーバスヘッドコーチは、この点には完全に同意しないだろう。吉井にはまだまだ上達の余地があるが、AKATSUKI JAPANの中で自分の役割を果たしていることは確かだ。彼のスタッツ(予選では1試合あたり6.3得点、3.5リバウンド)は突出したものではないかもしれないが、ディフェンダーとしての価値は証明されている。

「高校生の頃、デニス・ロッドマンが好きだったんです」という理由で選んだという背番号「91」とよくマッチしている。

吉井は、所属クラブでの限られた出場時間の中でも、外国人選手に対するディフェンスを得意としている。身長が高いので、一般的な日本人選手に対して体格的に有利な「輸入選手」をうまくディフェンスすることができるからだ。身長の高さは「小学3年生のとき、背が高いからとコーチに誘われてバスケットボールを始めた」と語る彼のバスケットボールの原点であり、強みだ。

ホーバス氏が男子日本代表のヘッドコーチ(監督)に就任したとき、若さと高さを求めてのスカウトだった。その結果、吉井はこれまでこのチームの主役の一人になっている。予選における吉井の出場時間を考えると、絶対とは言えないが、この若きフォワードが沖縄で共同開催されるワールドカップでプレーするチームの一員となる可能性は十分にありそうだ。

「世界のバスケットボール選手の中で、代表チームの一員としてワールドカップに出場できる選手はごくわずかです。(ワールドカップまでの予選のプロセスに参加することは)代表として、多くの責任を背負ってプレーすることなんです。」

繰り返しになるが、吉井は自分のことを「いい選手」になるにはまだまだ足りない部分があると考えている。しかし、代表チームでオーストラリアやイランといったフィジカルの強いチームと対戦したり、アジアカップでは渡邊雄太から学びながら、彼はチームの中で自分の役割を見つけ、試合を重ねるごとにチームの中での存在感を大きくしている。

代表でのチームメイト達ほど豊富な経歴は持っていないかもしれないが、彼は今大きな経歴を築きあげつつある。FIBAバスケットボールワールドカップ2023も彼の経験に加わることになるかもしれない。

FIBA