スラムダンクにインスパイアされた山崎稜の漫画のようなシーズン
ドバイ(UAE) - 漫画『SLAM DUNK』の主人公桜木花道は、異常なまでの運動神経と勝利への貪欲さで目立つ存在だ。桜木のライバルであり、湘北高校のチームメイトでもある流川楓は、クールで超優秀なスコアラーとして同じくらい人気があるキャラクターだ。
人気バスケットボール漫画のファンとして、好きなキャラクターとしてこの2人のうちどちらかを挙げる人が多いのではないだろうか。
しかし、山崎稜は違う。
「好きなキャラクターは、神宗一郎です」と広島ドラゴンフライズのシューティングガードは言った。
山崎の言うキャラクターは、湘北のライバルである海南高校でプレーする鋭いシュートを放つフォワードだ。神は控えめで、チームだけでなく県内でもトップクラスの選手であるにもかかわらず、穏やかに話す。山崎が神をSLAM DUNKのお気に入りのキャラクターにあげるのは、そういったところが似ているからだろうか。
そして、その共通点はそれだけにとどまらない。
「彼は3ポイントシューターで、僕も3ポイントシューターです。」と語る31歳の彼は、Bリーグでの今シーズン、ダウンタウンから38.9パーセントのシュートを決めた。
しかし、それだけではない。
「(神は)ハードに練習をしていました。バスケットボールを始めた頃はシューターじゃなかったけど、練習に練習を重ね、よりハードに練習を重ねた結果、素晴らしいシューターになった。
(神に対して)特別な思いがあるのは、それもあると思う。」と山崎は話す。
神は背が高いが、センターとしてプレーするには力が足りないという理由でメンバーから外され、1日500本のシュートを打ち続ける練習を積み重ね、対戦相手から恐れられる素晴らしいシューターになった。
「(自分と神は)似ていると思います」と山崎は笑った。
さて、考えてみよう: 山崎稜はBリーグでの3ポイントシュート成功率は最初の5シーズンで30.9%(199-644)。最近の2シーズンでは、40.5%という驚異的な確率で、本数で見ると437回のトライで177本の3ポイントを決めている。
今シーズンだけでも116本の3ポイントを決めており、これはBリーグの最初の4シーズンを合計した数字よりも多い。
山崎稜と神宗一郎の物語の違いのひとつは、漫画では負けて終わることだ。一方、この記事の主役は広島でBリーグタイトルを獲得しただけでなく、BリーグチャンピオンシップMVPにも選ばれた。
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また、スラムダンクが山崎に与えたのは、バスケットボールに対する姿勢のロールモデルにとどまらない。彼は、漫画の作者である井上雄彦が主宰し、日本バスケットボール協会(JBA)が協力する「スラムダンク奨学金」の奨学生である。
この奨学金は、日本の若いバスケットボール選手にアメリカのプレップスクールでバスケットボールを学び、プレーする機会を提供するものだ。これにより、彼らは学業面でも語学面でも準備を整え、アメリカの大学で奨学金を得てプレーするチャンスなどを得ることができる。
このプログラムの卒業生には、並里成や谷口大地がおり、最近では、2022年のU16アジアカップとU17ワールドカップで日本代表としてプレーした崎濱秀斗が奨学金を受けた。
山崎は4代目の奨学生である。2011年、彼はアイザイア・トーマス、ドレル・ライト、アンドレイ・ブラッチなど、多くの有名選手を輩出しているプレップスクール、サウス・ケントへ進学した。
「スラムダンクの奨学金をもらって、2年間アメリカに行きました。」その時の経験を山崎は語る。「僕のバスケットボール人生は全く違うものと言ってもいいくらい大きく変わった。井上先生には本当に感謝している。私のバスケットボール人生にとって、とても大きなものだった。」
Bリーグ優勝とファイナルMVPという経歴を持つ山崎のバスケットボール人生は、これまでかなり順調だったが、彼とドラゴンフライズがバスケットボールチャンピオンズリーグアジア(BCLアジア)で戦うことで、さらに素晴らしいものになるかもしれない。
今シーズンの展開は、まるでスポーツ漫画から飛び出してきたようだ。
昨シーズンで初のプレーオフ進出を果たすも、今シーズンの広島に寄せられる期待は決して大きくはなかった。スターガードの寺嶋良がレギュラーシーズン最後の月に負傷したことで、事態はさらに悪化した。
「悪い時もあった」と山崎は認めた。「スタートは良くなかったけど、シーズンの終わりにつれて、どんどん良くなっていった。シーズン最後の1カ月はかなり良かったし、チームのケミストリーも良くリーグを戦った。」
「だから優勝できたし、MVPも獲れて嬉しく思う」
「(BCLアジアは)ナンバーワンチームを決める大会になるから、エキサイティングなものになる。」
漫画の吹き出しからそのまま飛び出してきたように感じるのは、私だけだろうか。
この先の展開は「続きを読む」しかないだろう!
BCLアジア2024出場チームについてはこちらから:
シャバーブ・アル・アハリ
遼寧フライングレオパーズ
シャーダリ・ゴルガーン
NSマトリックスディアーズ
広島ドラゴンフライズ
ペリタ・ジャヤ・バスケットボール
KCCイージスバスケットボールクラブ
アル・リヤディ・ベイルート
FIBA