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2023年8月25日
9月10日
09/05/2023
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本戦出場チームフォーカス - セルビア ハングリー精神に満ち溢れる2014年のファイナリスト

ミー(スイス)-4月29日、フィリピンのマニラで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が開催され、数ヶ月後に世界チャンピオンを目指す32チームの顔ぶれが出揃う。

今回はFIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 6位、2014年ワールドカップファイナリストのセルビアを紹介しよう。

 

どのように本戦出場が決まったか

2021年7月ベオグラードで行われたFIBA男子オリンピック予選の決勝で、イタリアに敗れオリンピック出場を逃したセルビアは、FIBAユーロバスケット2001と2002年ワールドカップでユーゴスラビアを優勝に導いた経験を持つスベティスラフ・ペシッチをヘッドコーチとして迎え、ヨーロッパ予選に臨んだ。

予選の間、セルビアはファンに多くの不安を抱かせることとなったが、最終戦の日にワールドカップ出場の切符を手にした。

 
ワールドカップ予選は、セルビアがホームでラトビアと対戦し、ミロシュ・テオドシッチが21得点、9アシストを記録して、101-100で勝利するという波乱の幕開けとなった。ベルギーとの第2戦は73-69で敗北。2022年2月のWindow2では、スロバキアをホームで75-63、アウェーで71-63と2度破り、第2戦ではアレクサ・アヴラモヴィッチが24得点を挙げた。

しかしセルビアは勢いを保つことができず、2022年6月7月のWindowで、アウェーでラトビアに66-59で敗北を喫する。その後ホームで行われたベルギー戦では、残り5分でわずか2得点しかできず74-73で敗れた。スロバキア戦の2勝が持ち越されなかったため、1勝3敗という厳しい成績でセカンドラウンドを迎えることとなった。

 
背水の陣となったセルビア代表だが、2022年8月のWindowで、2度NBAでMVPに輝いた実績を持つニコラ・ヨキッチが参加。ヤニス・アデトクンボ率いるギリシャを相手に、ヨキッチは29得点、8リバウンド、6アシストを挙げ、延長に及ぶスリリングな試合展開の末、100-94で勝利。スターの座にふさわしいプレーを披露した。ベオグラードのスタークアリーナには1万9150人のファンが集まり、ヨーロッパ予選の動員人数新記録を打ち立てた。(しかしこの記録は翌日に破られることとなった。)

続くトルコ戦でも、ヨキッチの24得点、10リバウンドという活躍により、21点のリードを奪われながらも79-72で勝利。しかしその勢いはFIBAユーロバスケット2022には続かず、グループリーグで5勝0敗という素晴らしい成績を収めたにも関わらず、Round of 16でイタリアに負け敗退した。

ペシッチは2022年11月のWindowに向けてチームの準備を進め、イギリスに74-68で勝利し、トルコにホームで77-76で勝利するなど、順調に勝ち進んだ。

その結果2023年2月の最終予選では、1つの勝利を掴むことだけが条件となった。初戦のギリシャ戦では13点のリードを許し、ニコラ・ミルチノフが24得点を挙げ延長戦に持ち込むも、97-92で敗れた。ホームで行われた最終戦は、第3クォーターでアヴラモヴィッチが20得点を挙げ、101-83でイギリスに勝利した。

ワールドカップでの最高成績

セルビアは、ユーゴスラビア時代以降にセルビア代表として挑んだ5回すべてのワールドカップ出場権を獲得している。2006年はRound of 16でスペインに敗れ、2010年には準決勝に進出したものの、ベスト4でトルコに敗れ、3位決定戦ではリトアニアに敗れてメダル獲得には至らなかった。

2014年についに表彰台に上がり、アメリカに次ぐ2位という最高成績を収めた。2019年は準々決勝でアルゼンチンに逆転負けを喫した。

過去のワールドカップ

2010年準決勝に進出したセルビアは、2014年のスペイン大会ではグループステージでフランス、ブラジル、スペインに敗れ苦戦を強いられたが、Round of 16でそれまで無敗のギリシャと対戦し90-72で勝利。その後もブラジルに28点差、フランスに90-85で勝利して決勝トーナメントに進出した。決勝でアメリカに129-99で敗れるも、初の表彰台入りを果たした。

2019年はファーストラウンドでアンゴラ、フィリピン、イタリアを破り、セカンドラウンドではプエルトリコに勝利するが、スペインに敗れた。その後クォーターファイナルでアルゼンチンと対戦し97-87で敗北。5-8位決定戦でアメリカを破り、その後チェコを倒して5位となった。


注目選手

スベティスラフ・ペシッチヘッドコーチは、どの選手をどのように組み合わせるべきか、頭を悩ませていることだろう。ファンは2度のNBA MVPに輝いたニコラ・ヨキッチにリーダーとしての活躍を期待している。ヨキッチは最近、昨夏の代表チームの活動がいかに楽しかったかを語っている。他にも、ボグダン・ボグダノヴィッチや、ボバン・マリヤノヴィッチ、ヴァシリイェ・ミチッチ、ヴラディミル・ルチッチ、ネマニャ・ビエリツァといった多くのスター選手が参加する可能性がある。

 
さらにセルビアは、マルコ・グドゥリッチ、ニコラ・ミルチノフ、ニコラ・カリニッチ、フィリップ・ペトルセフ、バニャ・マリンヴィッチ、ルカ・ミトロヴィッチ、ネマニャ・ネドヴィッチ、アレクサ・アヴラモヴィッチ、オグニエン・ヤラマズなど、選手層の厚さが際立っている。

マルコ・ヤゴディッチ-クリザとヴァンヤ・マリンコヴィッチ

ペシッチヘッドコーチは、キャプテンのマルコ・ヤゴディッチ-クリザ、ステファン・ヨヴィッチ、ミロシュ・テオドシッチ、ダニーロ・アンドユシッチ、オグニエン・ドブリッチ、ドゥサン・リスティック、デヤン・ドヴィドヴァッチといったベテラン選手にも注目するだろう。また、経験を積ませるために、アレクサ・ラダノフ、ウロス・トリフノヴィッチ、ニコラ・ヨヴィッチ、アレクセイ・ポクセフスキ、ボリサ・シマニッチなどの若手選手の招集の可能性もある。

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