
本戦出場チームフォーカス - エジプト ファラオズはラナヘッドコーチの采配を信じている
ミー(スイス)-4月29日、フィリピンのマニラで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が開催され、数ヶ月後に世界チャンピオンを目指す32チームの顔ぶれが出揃う。
今回はFIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 55位、FIBAアフロバスケット5回優勝のエジプトを紹介しよう。
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どのように本戦出場が決まったか
2019年のワールドカップ出場を逃したエジプトは、世界の舞台への復帰を目指し、2022年2月にアフリカ予選に臨んだ。エジプト連盟は2022年1月、アーメド・マレイの後任として、カナダ人のロイ・ラナを新ヘッドコーチに任命した。
エジプト代表ヘッドコーチ ロイ・ラナ
予選開幕前のFIBAアフロバスケット2021では、Round of 16でギニアに敗れ11位という成績に終わった。悔しさを胸に挑んだアフリカ予選でファラオズ(=エジプト男子代表チームの愛称)は結果を残し、2試合を残してワールドカップ出場を決めた。
エジプトが入ったグループDは、2021年11月のWindowではプレーせず、2022年2月セネガルで行われたWindowで開幕となった。初戦はセネガルに75-57で敗れ、アナス・マフムードが18得点、9リバウンドを挙げたものの、期待通りのスタートとはならなかった。
次の試合でケニアを105-51で破り、7人の選手が2桁得点を挙げ盛り返した。コンゴ民主共和国との試合ではマフムードが16得点、9リバウンドを挙げ62-51で下し、このWindow2つ目の勝利を手にした。
2022年7月のWindowはエジプト・アレクサンドリアで開催され、ホームのファンの前で3つの勝利を挙げた。セネガル戦ではエハブ・サレが22得点、2018年6月以来の代表戦出場となったアセム・マレイが10得点、9リバウンド、4アシスト、7スティールを記録して、76-43で勝利した。
その後ケニアを72-39で破り、さらにコンゴ民主共和国を80-52で下して5勝1敗とした。グループ最終戦では、サレが17得点、マレイが13得点、10リバウンドを記録した。
グループFセカンドラウンドは2022年8月チュニジアで行われ、エジプトは開催国を相手にサレが18得点、マレイが15得点、13リバウンドを挙げ、12点差から奮起して67-61で勝利した。これによりチュニジアは、2015年以来ホーム戦15連勝の記録が途絶えた。
マレイは次の試合でも19得点、9リバウンドと好調で、カメルーンに86-74で勝利した。しかしエジプトの7連勝は、最終戦で南スーダンに85-65で敗れストップした。この試合ではサレが22得点、6アシストを記録している。
2023年2月のアフリカ予選最終Windowは再びエジプトで開催され、サレが23得点、マフムードが12得点、12リバウンドを記録して、2021年アフロバスケットチャンピオンのチュニジアに71-67で勝利。これによりワールドカップ出場権を獲得した。
最後の2試合は勝利を掴むことが出来ず、アムル・アブデルハリムが18得点、マレイが14点、12リバウンドを挙げたものの、カメルーンに71-63で敗れた。
最終戦(97-77で負けた南スーダン戦)でアブデルハリムが42得点を記録し、2018年7月にナイジェリアのジョーダン・ヌオラがマリ戦で記録した36点を上回る、アフリカ予選の1試合での最多得点記録を樹立するという活躍を見せた。
この記録はワールドカップ予選史上、2018年7月1日に韓国のグナ・ラが香港戦で記録した43得点に次いで、2番目に多い得点となった。
ワールドカップでの最高成績
エジプトは、アラブ連合共和国として参加した1959年と1970年大会を含め、7回目のワールドカップ出場となる。1950年の第1回ワールドカップで、エクアドル、スペイン、フランス、チリを破って5位に入賞したのがこれまでの最高成績だ。
1959年は13チーム中11位、1970年は13チーム中13位、1990年は16カ国中16位、1994年は16カ国中14位、2014年は24カ国中24位という結果だった。エジプトは過去5大会で33試合中、わずか2勝しか挙げることができていない。
1950年ワールドカップでのエジプト代表 イスマエル・ハフェズ
過去のワールドカップ
1970年、1990年と勝ち星を挙げられなかったエジプトは、1994年のグループフェーズでも5戦全敗を喫した。13-16位順位決定戦でキューバに69-54で勝利し、韓国に76-69で敗れて14位となった。2014年、エジプトはセルビア、スペイン、フランス、イラン、ブラジルに平均37.0点差で敗れ、24チーム中24位となった。
1994年ワールドカップでのエジプト代表
注目選手
ポイントガードのエハブ・サレハ、そしてアセム・マレイとアナス・マフムードの2人のビッグマンがチームの核となるだろう。ロイ・ラナヘッドコーチは、この3人が大舞台で力を発揮するだろうと信じている。
エハブ・サレハ
もう一人のビッグマン、アーメド・カラフも出場した試合で常に結果を出してきた。アフリカ予選で42得点の大活躍を見せたアムル・アブデルハリムは、得点力でチームを支えることができる。
アムル・アブデルハリム
また、ハレド・アブデルガワド、ワリード・アリー、サインフェルディン・サイード、オマー・ファラグ、ユセフ・アブーシャ、ユスフ・シェハタといった選手も活躍が期待されている。さらに、ワールドカップでの経験を積ませようと、モハブ・ヤセルやカリム・ハテム・エルギザウィといった若手選手が招集される可能性もある。
本戦出場チームフォーカスシリーズ
他の本戦出場チームの紹介もご覧ください。
FIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 順
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