本戦出場チームフォーカス - 中国 ジョルジェヴィッチヘッドコーチを迎え巻き返しを図る
ミー(スイス)-4月29日、フィリピンのマニラで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が開催され、数ヶ月後に世界チャンピオンを目指す32チームの顔ぶれが出揃う。
今回はFIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 27位、FIBAアジアカップで16回優勝の実績を持つ中国を紹介しよう。
どのように本戦出場が決まったか
中国は、開催国となった2019年ワールドカップで32チーム中24位という結果に終わり、さらに2021年の東京オリンピックを逃すなど、大きなスランプの中でアジア予選に臨んだ。
Covid-19の影響により、中国はアジア予選のうち1試合も自国開催ではなかったが、当時のヘッドコーチであるドゥー・フェンは、最初の10試合のうち7試合以上に出場する8人の強力なコア選手を形成した。そして、最終Windowを残しワールドカップへの切符を手に入れた。
2019年中国ワールドカップでセルビア代表として指揮するサーシャ・ジョルジェヴィッチ
その直後に中国連盟は、最終Windowとこの夏の本大会に向けて、ヘッドコーチをセルビア人のサーシャ・ジョルジェヴィッチに引き継ぐことを発表した。
最初のWindowではアウェーで日本と2試合を戦い、79-63と106-73で2勝を挙げた。第1戦ではグオ・アイルンとジョウ・チーがともに24得点、第2戦ではルイ・ジャオが6本のスリーポイントを決めて27点を獲得した。
2022年6月7月の試合はメルボルンで行われ、オーストラリアとの2試合を落とし、チャイニーズ・タイペイとの2試合は36点差と41点差の大勝を挙げた。オーストラリアとの第1戦では、中国が16点差から同点に追いつくも力尽き、76-69で敗北を喫した。
中国のトーナメントでの苦戦は、7月にインドネシアで開催されたFIBAアジアカップ2022でも続き、グループステージで韓国に敗れ、準々決勝ではレバノンに敗れて8位という、2007年以来最低の成績となった。
その後のセカンドラウンドでもチームの調子は上がらず、カザフスタンを12点差で下すも、バーレーン戦では延長戦にもつれ込み80-67なんとか勝利した。
2022年11月には、 ワン・ジェーリンがイランを相手に23得点を挙げ81-72で勝利。バーレーン戦では27得点、14リバウンドを記録するなど、状況は好転した。
2023年2月のアジア最終予選では、ホーム・香港でカザフスタンに71-59、イランに86-74で勝利を収めた。
ワールドカップでの最高成績
中国のワールドカップ出場は10度目となり、うち5回は直近6大会への出場である。中国が最も活躍したのは1994年で、クォーターファイナルラウンドに進出した。
予選ラウンドでブラジルとスペインを破り、クォーターファイナルラウンドに進出したが、グループIIでクロアチア、ギリシャ、カナダに敗れ8位となり、これが過去最高の成績である。
1994年ワールドカップでの中国
過去のワールドカップ
2002年大会ではアルジェリアを破ったのが唯一の勝利となり、12位に終わった。4年後中国はグループリーグ最終戦でセネガルとスロベニアを破りRound of 16に進出したが、ギリシャに敗れ敗退した。
2010年はプエルトリコに勝利し1次リーグを突破したが、再びRound of 16でリトアニアに敗れ、16位で終了した。
中国は2014年のワールドカップ出場を逃し、2019年は開催国として参加した。しかしチームは苦戦し、コートジボワールに勝ったものの、その後ポーランドとベネズエラに敗れ、17~32位の下位グループラウンドに進出。韓国に勝ったもののナイジェリアに敗れ、24位に終わった。
注目選手
2023年のワールドカップでは、中国のメインビッグマンはイー・ジャンリャンからジョウ・チーに引き継がれることになるだろう。35歳のイー・ジャンリャンはこの夏も間違いなく活躍するだろうが、27歳のジョウ・チーはアジア予選を通じて、今後何年もチームを引っ張っていくと感じさせる活躍を示した。
ジョルジェヴィッチのもとには、ワン・ジェーリンやフー・ジンチゥなど、中盤での活躍に期待のかかる選手もいる。
ジョウ・チーとイー・ジャンリャン
また、グオ・アイルン、スン・ミンホイ、ザオ・ジウェイらがプレーメーカーとなり、ジャオ・ルイ、フー・ミンシュアン、シュー・ジエがシューターとしてウイングに立つだろう。さらにジョルジェヴィッチヘッドコーチが、アジア以外の国でプレーしている、あるいはプレーしたことのあるトップレベルの若い選手を引き入れる可能性もある。
たとえば北京に所属し、2023年2月のWindowにノミネートされているが、アメリカで高校生活を送り、Gリーグのイグナイトチームに所属していたゼン・ファンボがいる。
本戦出場チームフォーカスシリーズ
他の本戦出場チームの紹介もご覧ください。
FIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 順
スペイン、オーストラリア、フランス、スロベニア、リトアニア、ギリシャ、イタリア、ドイツ、カナダ、フィンランド、ニュージーランド、アメリカ、セルビア、ブラジル、ベネズエラ、モンテネグロ、プエルトリコ、イラン、ドミニカ共和国
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