×
2023年8月25日
9月10日
26/04/2023
News
読む

本戦出場チームフォーカス - ニュージーランド 2002年と同じ成功を夢見るトールブラックス

ミー(スイス)-4月29日、フィリピンのマニラで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が開催され、数ヶ月後に世界チャンピオンを目指す32チームの顔ぶれが出揃う。

スペインオーストラリアフランススロベニアリトアニアギリシャイタリアドイツカナダフィンランドの次は、FIBA男子ワールドランキングpresented by Nike 26位、2002年ワールドカップセミファイナリスト、FIBAアジアカップ2022で3位入賞のニュージーランドを紹介しよう。

 

どのように本戦出場が決まったか

2019年のワールドカップで19位だったニュージーランドは、アジア予選を前にヘッドコーチを交代。ポール・ヘナレから、レジェンド選手として活躍した過去をもつペロ・キャメロンが、8年間のアシスタントコーチを経てヘッドコーチに就任した。

そして2022年8月、2つのWindowを残してワールドカップ本戦出場権を獲得した。

ロバート・ローとトム・ウダノヴィチ

ニュージーランド代表は2022年2月のWindow2から本戦出場への戦いを始めた。フィリピンでバブル開催となったグループAで、トールブラックス(=ニュージランドバスケットボール男子代表の愛称)はインドに55点差、フィリピンで25点差で勝利。その後インドとの2試合目でも35点差をつけて大勝を収めた。

ロバート・ローとトム・ウダノヴィチが活躍を見せ、ローは3試合でダブルダブルを達成、ウダノヴィチは3試合とも20得点以上を挙げチームを引っ張り、2試合でダブルダブルを記録した。

アジア予選はニュージーランドのファンにとっても、ようやく再びトールブラックの試合を観ることができるチャンスとなった。2019年大会の予選として、2018年12月2日にウェリントンで開催されたシリア戦で、97-74で勝利して以来の開催となるホームゲームが、2022年6月30日にオークランで行われ、フィリピンに106-46で勝利した。

その後インドネシアで開催されたFIBAアジアカップ2022では、23歳以下の選手が6人、26歳以上の選手が1人もいないという非常に若いチームで出場。トールブラックスはセミファイナルでオーストラリアに敗れたが、その後ヨルダンに勝利して3位となった。

 
2022年8月のアジア予選ではサウジアラビアを15点差で下し、オークランドで開催されたヨルダン戦でも100-72で勝利。その後フィリピンがサウジアラビアを破り、ニュージーランドのワールドカップ出場が確定した。

2022年11月の予選では、すでに出場権を獲得したキャメロンヘッドコーチが、若手やテストしたい選手を中心としたチーム編成で出場。しかし経験不足が災いし、アウェーの中、ベテランが揃うレバノンに12点差、ヨルダンに17点差で敗れた。

イーサン・ルスバッチ

この予選でキャメロンヘッドコーチはさまざまな選手のプレーを見るため、30人の選手を起用。8試合すべてに出場したのはイーサン・ルスバッチのみで、テイラー・ブリットとハイラム・ハリスは6試合に出場した。

ワールドカップでの最高成績

ニュージーランドは通算7度目、6年連続のワールドカップ出場となる。1986年に初出場となったトールブラックスは、2002年にペロ・キャメロン、ショーン・マークス、カーク・ペニー、マーク・ディッケル、フィル・ジョーンズ、ポール・ヘナレ、ディロン・バウチャーといった選手を中心に世界の注目を浴びた。

ベネズエラとロシアを破り2次ラウンドに進出し、中国を倒してノックアウトステージに進出。準々決勝でプエルトリコを65-63で下し、史上最高の成績でベスト4に進出した。

準決勝でユーゴスラビアに敗れ、3位決定戦ではドイツに敗れたが、ニュージーランドのバスケットボールファンは、2002年の活躍を永遠に忘れることはないだろう。

 

過去のワールドカップ

2002年に準決勝に進出して以来、ニュージーランドは同じ成功を繰り返すことができていない。2006年はグループステージを突破したものの、Round of 16でアルゼンチンに敗れた。2010年にはグループステージでレバノン、カナダ、フランスを破ったがRound of 16でロシアに逆転され、12位となった。

2014年にはウクライナとフィンランドを破り、2勝3敗で再びグループステージを突破したが、Round of 16でリトアニアに76-71で敗れた。

 
2019年の中国大会では、開幕戦でブラジルに敗れたがモンテネグロに勝利。その後ギリシャに敗れてセカンドラウンド進出を逃し、17-32位順位決定戦で日本とトルコを下して19位となった。

注目選手

長年に渡る最大の疑問は、スティーブン・アダムズが代表でプレーするのかどうかだ。ペロキャメロンはアシスタントコーチとしてもヘッドコーチとしても10年近くの間、NBAのビッグマンの力を借りることができていない。

そのため戦術は、アダムズがいる場合といない場合の2通り考えているだろう。トールブラックスには、センターがいなくても強力なコアがある。

コーリー・ウェブスターは以前からリーダー的存在で、ここ数年は弟のタイ・ウェブスターも活躍を見せている。また、フィン・デラニーとヤニー・ヴェッツェルは今シーズンヨーロッパリーグで輝きを放っている。キャメロンの息子のフリン・キャメロンは、FIBAアジアカップ2022のメインプレーヤーの一人で、トム・ウダノヴィチとロバート・ローはアジア予選で中心選手として活躍を見せた。

 
その他、トーマス・アバークロンビー、アイザック・フォトゥ、ディオン・プリュースター、トヒ・スミス-ミルナー、イーサン・ルスバッチ、クルズ・ペロット-ハント、シェイ・イリ、テイラー・ブリット、ハイラム・ハリス、ジョーダン・ンガタイ、サム・ティミンズ、ルーベン・テ・ランギ、ベン・ゴールド、サム・サム・ワーデンバーグといった選手たちもロスター入りに向けて戦うこととなるだろう。

FIBA