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2023年8月25日
9月10日
31/01/2023
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ルカ・ドンチッチ FIBAバスケットボールワールドカップ2023への参加を表明

リュブリャナ(スロベニア)- 2022年11月におこなわれたヨーロッパ予選Window5でスロベニアがドイツに勝利し、FIBAバスケットボールワールドカップ2023の出場権を獲得した。

それを受けてスロベニアのスーパースター、ルカ・ドンチッチは、インドネシア、日本、フィリピンで開催される、世界中から32カ国のみが参加できるこの世界最高峰のバスケットボールの祭典でプレーすることを、スロベニアバスケットボール連盟に伝えた。

スロベニアバスケットボール連盟(KZS)のマテイ・エルヤベック会長は、rtvslo.siに、「ルカは、ワールドカップ本選出場が確実となったドイツ戦(11月14日)の直後、ただちに参加を表明しました。」と明かした。「正直に言うと(11月11日の)イスラエル戦の後、すでに99%の確信がありました。それでも、(ルカが出場を表明したことに)あらためて大きな喜びと同時に安心感を感じました。 ルカが健康な状態でプレーができれば、まったく不安はありません。」

 

ドンチッチは過去2年間、スロベニア代表として輝かしいの活躍を見せてきた。NBAでは、ダラス・マーベリックスに所属し、ギリシャのヤニス・アンテトクンボ(2019、2020)、セルビアのニコラ・ヨキッチ(2021、2022)に続き過去5年間で3人目となるヨーロッパ人NBA最優秀選手候補にあげられるほどの活躍を見せながら、3年目となる母国代表チームの活動にも意欲的だ。

ドンチッチは国際的なバスケットボール界を沸かせてきた。2021年カウナス(ポーランド)でおこなわれたFIBAオリンピック予選でスロベニアを優勝に導き、東京大会では4位に入賞。
昨夏ケルンで開催されたユーロバスケット2022では、準々決勝でポーランドに衝撃の敗北を喫するも、死のグループと呼ばれた予選グループBでスロベニアを1位に導いた。


「ルカは、ドイツとの試合の直後、(ワールドカップへの)参加を表明した」
-スロベニアバスケットボール連盟 マテイ・ エルヤベック会長

NBAのシーズンが始まり、1試合あたりリーグ最高の平均34.3得点を記録しているドンチッチは、スロベニアがワールドカップへの切符を手にしたWindow5に帯同していなかった。しかし、彼は気持ちの面ではチームと一緒だった。

「彼の姿勢は本当に素晴らしいです」とエルヤベック会長は話す。「(スロベニアが)イスラエルとの試合があったのは、彼がいるダラスで朝の6時でした。彼はこの試合を見ていたんです。 自分の試合があるときに、朝6時に起きて試合を見るのは、簡単なことではありません。」

「なんといっても、彼がチームにいてくれることが嬉しいし、コート上だけでなくコート外でも彼の存在は非常に重要だと感じています。 ダラスに来ると、それが良くわかります。 誰もが彼のジャージを持っていて、街中のどこに行ってもファンが彼を待っているのは、信じられないほどの光景で、 本当に素晴らしいことです。」

ドンチッチはケルンのユーロバスケットでは7試合で平均26.0点、7.7リバウンド、6.6アシストという驚異的な数字を叩き出した。特にフランスに88-82で勝利した1試合では47点を獲得する快挙をあげた。

試合ごとにめざましい活躍を見せ、ホスト国ドイツを相手にした試合では、ドンチッチは36得点、10リバウンド、4アシストを記録した。彼はもう止められなかった。

 

数字以上に印象的だったのは、ドンチッチが得点とプレーメイキングに徹し、ポーランド敗戦した以外は、勝つために必要なことをやり遂げた点だ。

シュートメイク、ボールハンドリング、魅せるパス、ディフェンスと、まさにコート上の魔術師のようであった。ファンがドンチッチをスロベニアの魔術師と呼ぶようになったのも納得できる。

ケルンでのドンチッチを見に来たファンの中には、ダラス・マーベリックスのオーナーであるマーク・キューバンや、彼のコーチであるNBAの伝説的選手ジェイソン・キッドら関係者の姿も見られた。


キッド、ドンチッチとキューバン:ユーロバスケット開会式でのダーク・ノビツキの永久欠番時期式典にて(ケルン)

エルヤベック会長は、マーベリックスはドンチッチが国のためにプレーすることの利点を理解しており、彼がワールドカップに参加することを全面的に支持していると言う。

「間違いなく、これ(NBAでの驚異的なスタッツ)は、彼が夏の間代表の一員として躍動した後、入念な準備を行った結果でもあります。数字に関していえば、想像を超える驚異的なシーズンのスタートでしたから。

良い準備の結果であることに疑いの余地はありません。 ジェイソン・キッド監督とマーク・キューバンオーナーが率いるクラブは、このやり方を認めていて、彼らはルカの代表活動への参加を承認しています。」

ワールドカップ予選Window5を前に、スロベニアには9月14日に行われたユーロバスケットの準々決勝での予想外の敗退による衝撃が残っていたのは間違いない。
ドンチッチがケルンで満員のアリーナを沸かせた素晴らしい瞬間も、ポーランドに90-87で敗れたというスロベニアのバスケットボールの歴史に残る苦い事実を消し去ることはできなかった。

ベルリンで行われたこの試合では、ポーランドが最大23点リードしていた。

「ヨーロッパ選手権での結果はもちろん失敗だったといえるでしょう。」とエルヤベック会長は言い、スロベニアはそこから学ばなければならないと付け加えた。

「私たちは何を学んだか? 常に100%であること、そしてチームが一体となっていること。 コミュニケーションをとり、問題を話し合い、その場で解決することの必要性です。 何より、常に100%の状態で、ベストを尽くすということですね。」

ドイツ中で見られたドンチッチにサインを求めるファンの姿。これはワールドカップでも見られるだろう。

スロベニアのサポーターは今、大会が待ちきれないだろう。
ドンチッチがワールドカップに出場するという事実、それだけでスロベニア、ダラス、世界中のすべてのファンが試合を楽しみにする理由になる。

FIBA